2023年のバレンタインデー以降、Windows 10 で Internet Explorer(IE) を起動しようとすると、次のようなポップアップを表示して、ユーザーの操作を邪魔しに来ます。

「Internet Explorer は Microsoft Edge に移行しました。」

 

 

Internet Explorer は Microsoft Edge に移行しました。

Internet Explorer は Microsoft Edge に移行しました。

 

IE から Edge への強制リダイレクトが開始された

Microsoft が世に残した黒歴史といえば、Internet Explorer (略してIE)でしょう。

現在は、Chromium ベースの Microsoft謹製ブラウザ、Edge を提供することで、この悪しき汚点を抜いさろうとしています。

IE は過去に数多くの禍根を残してきており、今でもその名残が数多く残っています。

今どき IE なんて使っていると、「情弱の極み」と思われるかもしれませんが、業務上ではやむを得ず使用しなければいけないシチュエーションも多々あるかと思います。

最近はリサーチしていませんが、一部の銀行のネットバンキングサービスでは IE を推奨していましたし1、私の知る限りで言えば、コストコなどで叩き売られている Swann というメーカーが出している防犯カメラの映像をPCで閲覧しようと思えば、IE (+ アドオン)な環境でないと閲覧することが出来ません。2

しかしながら、これまでも様々な方法で Edge への移行を促して来た Microsoft ですが、ここへ来てついに強制リダイレクト、という方法に打って出てきました。

 

IE から Edge へのリダイレクトを回避する

Microsoft は現在、冒頭に示したようなモーダルなウィンドウを表示させて、強制的に「続行」をクリックさせることで、IE から Edge へ移行させようとしています。

このまま続行を押すと、それ移行は IE を開こうと思うと、Edge が起動するように設定されてしまいます。

かなりやらしいやりかたですが、そうまでしてでも IE を使わせたくないんだ、という Microsoft の本気度が伝わってきます。まあ、ユーザーの操作を阻止してまでやるなんて、

まるで、マルウェアそのもの

ですが、これは Microsoft だから許される事は言うまでもありません。

ただ、このモーダルウィンドウですが、この状態でもタスクバーは操作可能なので、タスクバー上の Edge のタスクを右クリックして「閉じる」ことで一時的な回避をすることが出来ますが、なるべく長く回避させるにはどうすればよいのでしょうか。

ネットの海から情報を探してみました。

 

Microsoft Edge の設定変更

Microsoft Edge には、Windows が IE から Edge に自動的にリダイレクトさせる特殊な設定があるので、これを無効にします。

  1. Microsoft Edge を開く
  2. アドレスバーに edge://settings/defaultbrowser と入力しエンター
  3. Internet Explorer の互換性の項目、「Internet Explorer モード(IEモード)でサイトの再読み込みを許可」のドロップダウンを、「許可しない」にして、
  4. ブラウザーを「再起動」
Edge 設定 - 既定のブラウザー

Edge 設定 - 既定のブラウザー:Internet Explorer の互換性

 

インターネットオプションの変更

Internet Explorer は、IE から Edge にリダイレクトさせるために、特別なヘルパーオブジェクトを使用するみたいです。これを無効にすることで、リダイレクトを阻止します。

  1. Windowsキー + R で「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます
  2. inetcpl.cpl と入力し OK をクリック
  3. [詳細設定] タブに移動し、「サードパーティー製のブラウザー拡張を有効にする」のチェックを外す
  4. 適用 をクリックし、OK で変更を保存する
インターネットオプション - 詳細設定

インターネットオプション - 詳細設定:サードパーティ製のブラウザー拡張を有効にする

ただし、この作業は欠点として、必要なサードパーティーによるヘルパーオブジェクトも停止 させてしまうようなので、注意する必要があります。

 

レジストリーの変更

レジストリを変更して、IEToEdge ブラウザーヘルパーオブジェクト(BHO)を無効にすることも出来ます。

レジストリの変更は自己責任でお願いします!

 

  1. Windowsキー + R で「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます
  2. regedit と入力し OK をクリック
  3. 次のパスへ移動します
    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Ext\CLSID
  4. 右側のパネルで 1FD49718-1D00-4B19-AF5F-070AF6D5D54C の項目をダブルクリックします。
  5. 値を 1 から 0 にします。
  6. OK をクリックして適用します
  7. Windows を再起動します
レジストリエディター

レジストリエディター - IEtoEdge BHO を無効化

 

まとめ

上記のようにして、IE から Edge へのリダイレクトの回避方法について紹介してみましたが、あくまでも一時的な回避方法ですので、可能であれば、

Internet Explorer のない生活

がおくれるのに越したことはありません。

IE は Windows が残した最大のセキュリティホールの一つ です。

例えば、先に示した Swann の防犯カメラの閲覧用アドオンですが、これは、防犯カメラの映像をアドオンを通して直接ローカルPCの特定のフォルダに録画 させることが出来ます。

これは要するに、もし、仮に悪意のあるアドオンをIEにインストールしてしまうと、ブラウザを開いただけでローカルのリソースにアクセス出来たり、データを読み書きさせたりすることができる、ということで、非常に重大なセキュリティホールであることは理解できるとおもいます。

くれぐれもそのことを忘れないようにしましょう。


  1. 今でもビジネス向けのネットバンキングサービスで、証明書の発行依頼は IE でお願いします、と行ってくる所がありました。 

  2. 以前は、Firefox や Chrome でも閲覧できましたが、ブラウザのセキュリティが厳しくなるのと同時に、対応アドオンが使用できなくなりました。逆を言えば、IE はセキュリティが超甘いということになります。 


 

 

zaturendo

中小企業社内SE。

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