以前の記事 にも書いたように学生の頃から付き合っている群発頭痛の群発期に突入しました。2年振りの到来です。

私は学生時代に発症しました。当時はなにがなんだかわからないまま、1年に一度やってくる「恐ろしい眼精疲労」と思っていました。

 

 

年齢的に、群発頭痛にならないのかも、と高をくくっていたのですが、彼は今回もご多分に漏れず突然にドアを蹴破ってやってきました。

群発頭痛 とはなにか?

群発頭痛は、俗に「自殺頭痛」とも呼ばれています。その理由は、あまりの辛さに自身の頭を銃で打って死んだ人の逸話があるとかないとか1。ハリーポッターで主役を演じたダニエル・ラドクリフさんも群発頭痛の持ち主で有名です。

群発頭痛はどのような頭痛かというと、

  1. 未治療で一側性の重度~きわめて重度の頭痛が、眼窩部、眼窩上部または側頭部のいずれか一つ以上の部位に、15~180分間持続する
  2. 頭痛と同側に少なくとも以下の1項目を伴う
    • 結膜充血または流涙 (あるいはその両方)
    • 鼻閉または鼻漏 (あるいはその両方)
    • 眼瞼浮腫
    • 前頭部、および顔面の発汗
    • 縮瞳または眼瞼下垂 (あるいはその両方)
    • 落ち着きがない、あるいは興奮した様子
  3. 発作頻度は1回/2日 ~ 8回/日 である。
  4. その他の疾患によらない

のような頭痛発作が、

7~365日間続く群発期2が、1ヶ月以上の寛解期をはさんで2回以上ある、「反復性群発頭痛」と、1年を超えて発作が繰り返され、寛解期がないか、または寛解期があっても1ヶ月未満である、「慢性群発頭痛」があります。

群発頭痛の有病率は、1000人に一人といわれ、女性よりも男性に多いとされています。

また、上記にはありませんが、

  • 群発期には毎日同じ時間帯に (例: 午前2時や3時など) 発生する
  • 飲酒等で頭痛発作がほぼ100% 誘発される
  • 目を開けているのが辛い (光過敏になる)

などの特徴があります。

また一般にはその症状はないとされていますが、わたしの場合は、

  • 吐き気

も伴います。

群発頭痛の苦しみ

群発頭痛の痛みは、頭痛の中でも最も痛い頭痛とされていて、

  • 目の奥がえぐり取られるような痛み
  • 目の奥に焼け火箸を指したような痛み
  • 物奥をドリルで穴を開けられたような痛み

と、その表現はさまざまですが、かなりひどい痛みであることがわかります。ちょうど、歯の神経を針で突いた痛みが目の奥で起きるといえば表現として近いかもしれません。

群発頭痛は毎日同じ時間に発作が起きるという特徴があります。

私も同じですが、多くの人が就寝後1~2時間後に頭痛発作が起きて、激痛で目が覚める、という経験をしています。

やがて群発期が進んでいくと、就寝後に限らず、数時間おきに発作が起こったり、あるいは無差別に発作が起きたりします (私は無差別爆撃、と呼んでいます)。この時期は発作が収まっても、一日中ジクジクと偏頭痛様の頭痛が残ることもあり、辛い毎日を送ることになります。

ですから、群発期はたいていひどい寝不足になります。ほぼ毎日のように、深夜2時から3時ごろに発作の激痛で叩き起こされて、痛みが去る1時間~1時間半、文字通りのたうち回って耐えて、やがて気絶するように眠る、という毎日が繰り返されます。

また、仕事中に頭痛発作が起きた場合は最低です。もし、外出という技を使って外に逃げて一人になれる職種であればマシですが、事務職で社内で逃げ場のない状況になると事態は最悪です。

なぜかというと、群発発作中には他人とコミュニケーションすることが大変難しくなります。声をかけられたり質問されたり、客先の電話を受けたりなどするのがとてもつらい状態になります。

ぞんざいな言い方をすれば、

「なんでもいいから、とにかくほっといて」

という状態になります。

慢性的な寝不足で常にイライラがつのり、仕事の能率はこれ以上ないほどに低くなります。また、繰り返される発作に、いっその事こんなに苦しむのなら潔く殺してほしい、と願うようになり、頭痛のたびに夜な夜な壁や家具の角に頭を打ちつづけたりします。

こうしたことから、群発期は心身ともにボロボロになっていき、群発末期には、自身がまるで廃人であるかのように感じてしまいます。

ですが・・

そんなある日、なんの前触れもなく突然群発期は去ります

特に群発期の後半、いわゆる無差別爆撃期のころには、ありとあらゆることに対して絶望的になり、もしかするとこのまま一生群発期がおわらないのでは、と思うようになるのですが、

明けない群発期はない

のです3

群発頭痛の原因は?

医学的な原因

群発頭痛の発作時には、三叉神経付近の血管が拡張し、その血管が神経を圧迫することで痛みを感じ頭痛になります。このとき、視床下部や三叉神経血管が活性化していることがわかっています。

群発頭痛の原因については諸説ありますが、詳しい原因はわかっていません。頭痛大学によると、

  1. 視床下部に generator としての起源を求める説
  2. ニューロペプチドの変化により、三叉神経と血管との関係から説明しようとする説
  3. 内頚動脈の周囲に起源を求める説

とされていますが、その根本的な原因はまだ解明されていないみたいです。

他にも、患者に喫煙・飲酒をする男性に多いことから、そういったものが原因になっている可能性、後よく言われることに、ストレスなどが原因ではないか、などいろいろと言われています。

私の場合は、20代から30代までの間は、ひどい眼精疲労と思っていたことが多いので、目の使いすぎ? と思っていることもありましたが、目を使っているときに発生しないことや、就寝中、つまり目を酷使していないときに起こることなどから、眼精疲労ではなく、もしかしたら緑内障なのではないか、と思っていました4

でも、それでも何回発作が起きても視力が落ちることもないし、、だとするとこの頭痛は一体何なのか?・・インターネットも一般に普及していなかったので (また病院嫌いでもあったので) 当時は群発頭痛だとは知る由もありませんでした。

群発頭痛と喫煙の関係

群発頭痛は男性の方が女性より発症率が高いとされています。諸説ありますが、最近の研究では 3.5:1 とされています。過去にはもっと差があったのですが、最近は縮まってきています。これは、女性の社会進出と、女性の喫煙率の上昇と関係があるのでは、とされています。

私自身も以前はヘビースモーカーでしたが、群発発作時には煙草を吸う事で少し落ち着くような気もしていたので、まさか頭痛とタバコが関連しているとは想像もしていませんでした。

ただ、時代の流れもあって30代前半にタバコをやめたのですが、そうすると私の群発頭痛にも少し変化が現れたのです。

  • 群発期が長期化しないようになった (喫煙時: 最大3ヶ月から禁煙時: 長くても1月半。早いと2週間ほど)
  • 発作する頻度が減った (毎日から隔日おきなど)

こういったことから、私個人的な部分では、群発頭痛と喫煙には何らかの関連性があるのではないかと思います。

とはいえ、タバコをやめて十数年たった今でも、群発頭痛から逃れることはできませんでしたが・・

群発頭痛とストレスの関係

個人的な感覚としては、ストレスが群発頭痛の原因というのは考えにくい、と感じています。

・・もちろん、いちど群発期に入ると、ストレスと発作の関連は確実にあります。ただ、群発期に入るトリガーとしてはストレスとの関連性はまったくないとしか言いようがありません。ストレスのかかっている状態から半年以上かかって出るのも、ストレスが要因と言えるのならそうかも知れませんが・・

ともかくストレス以外のなにか、気温、気圧、湿度、体内時計の変化など、いろいろ関連しているのかもしれません。

群発頭痛に予兆はあるのか?

群発頭痛にはその予兆のようなものがある、というふうに多くの患者の経験談がネット上でも見られます。私の場合も、

  • 右目の違和感 (虫の知らせのようなピクピクとした目の周囲の痙攣)
  • 頭痛の起きる側の首や方の違和感
  • 視野に火花のようなものが散る

などのような前兆があります。

今回は去年くらいから時々前兆現象があるにもかかわらず、群発発作が起きることもなく来ていたので、完全に油断していました。

群発頭痛の治療法は?

以前に比べて治療法も様々な方法が取れるようになってきました。

トリプタン系薬剤

一番効果が高い方法は、トリプタン系薬剤を使用することです。

  1. 内服薬
  2. 点鼻薬
  3. 皮下注射薬

があり、下に行くにしたがって効果が高いです。特にイミグラン(スマトリプタン)皮下注射は、およそ80%以上の確率で、15分以内に痛みが引いていきます。あくまで個人的な感覚です。

点鼻薬は使用した経験がないのでわかりません。

内服薬は、私の場合微妙です。発作に備えて寝る前に服用してから寝ますが、発作が起きるときには服用していたとしても起きます。発作がなかったときも、薬が効果的に働いて起きなかったのか、それとも単にたまたま発作の起きないタイミングだったのかが分かりづらいので、あまり効果を感じることがありません。

また、これらの薬剤全般に言えることですが、とにかく薬価が高いです。イミグラン皮下注が10回分と、アマージ (トリプタン系内服薬) 14錠 をもらうのに、診察費も含めてしめて16,000円超えます。つまり、病院に行くのに2万円を握りしめていく覚悟がいります。

イミグラン皮下注は在宅医療にあたり、初回に使用に関する医師による指導が必要になります。また、イミグラン皮下注キットを最初に購入する必要があるので、初診時にはもう少しお金がかかります5

酸素吸引

これは、海外では以前から効果があるとして使用されていましたが、日本では2018年4月に保険適用がされるようになりました。聞くところによると、1ヶ月あたりの費用が2万円程度かかるとのことで、先程のトリプタン系の薬価といい、結構お金がかかってしまいます。

群発期が長期化する場合には、酸素吸引のほうがコスト的に有利かもしれません。

民間療法的なもの

これは私に限らず、多くの人が実践されていますが、リドカインの入った点鼻薬 を使うということが有名です。私の場合は、ケナリス点鼻薬30ml を使用しています。「キリン堂」で買うととても安いので重宝しています。

使用法は簡単です。発作発現時に、発作を起こしている側の鼻の奥に点鼻するだけです(発作時には鼻閉しているので、反対側の鼻に点鼻するという説もあります)。点鼻後30分ほどして痛みが和らいできたら効いていると考えて良いと思います。

効果の程は・・気持ち効いているときもあるように思いますが、完全に痛みを取り去るわけではありません (とりあえず、眠ることはできるくらいの痛みに緩和)。そのうえ、群発期が進んできて痛みの激しい発作の場合には全く効かないときもあります。

また、アイスノンで患部になっている側の目を冷やす、ということも効果があるかもしれません。

頭痛発生時は、頭痛の起きている側の目のあたりが熱を持ったみたいになるので、ここにアイスノンを当てて、それこそ冷たくて痛くなるくらいまで冷やすことで痛みが和らいだように感じることができます。

もし、トリプタン系の薬がない場合、点鼻薬 + アイスノン で痛みをやわらげさせるのが自分の中では一番効果的な気がします。

群発頭痛を予防することはできるのか?

予防薬として、カルシウム拮抗薬、ベラパミル (ワソラン) が効果的とされますが、個人的に効果はさほど感じませんでした。また、ネットでもよく見ますが、ワソラン使用後に群発発作が荒れる(不定期にやってきたり、やってこなかったり、突然レベル10の激痛発作が起こったりする)ことがあります。これは自身でも経験済みです。

その他にも、炭酸リチウム (リーマス) や、パルブロ酸ナトリウム (デパケン) なども処方されるみたいですが、これらはまだ試していません。

あ、抗てんかん薬はクロナゼパム (リボトリール) とトピラマート (トピナ) が処方されたことがあります。ベラパミルよりも効いた感じがあるような気がしましたが、気のせいかもしれません。

他にも民間療法的なものとして、頚椎のズレを矯正するなどもあるみたいですね。

予防薬は、発作が起きなかったのが予防薬の効果なのかそもそも、発作が起きなかっただけなのか分かりづらいところがあります。それに、もし発作が起きた場合は、やはり効いていない、という評価になってしまうのかもしれませんね。

診断と治療

もし、群発頭痛の可能性があるのでしたら、早期に病院にかかって確定診断してもらうことをおすすめします。

過去には、誤診のために群発頭痛の診断に数年から十数年かかっるといわれていました6。しかし、最近はわりと認知も進み、誤診も減ったと聞きます。私自身は、病院にかかることがなかったのもありますが、発症から確定まで20数年を要しました。

一度群発にかかると、その先一年ないし数年ごとに群発期を迎えることになり、その間の生活の質 (QOL) は一気に下がります。

特に仕事をされている方は大変です。

営業で外回りをしている場合は、いざというとき車を止めて休むこともできるかもしれませんが、事務職など内勤の場合は発作の度に休憩を取らせてもらうなどとすると、

「たかが頭痛で・・」

などと言われたりして、肉体的な苦痛以外にも、精神的な部分で苦痛を感じてしまうこともありえます。

そのため、疑いのある人は、すぐにでも病院にかかるといいでしょう。

どこに行けばいいのか

何科の病院にかかればよいのかと言うと、

  • 脳神経外科
  • 神経内科

になります。頭痛外来 を設けておられる病院であればなお良いと思います。ペインクリニックでも群発頭痛の診断、治療ができるみたいですね。

私は、脳神経外科を掲げていてなおかつ、頭痛専門外来を標榜している病院で診断、治療をしています。

インターネットで検索すると、整骨院などで群発頭痛の治療を謳うところもありますが、私はこれらの整骨院にかかったことがないのでなんとも言えません。ひとまずは、脳神経外科などの頭痛外来に行って群発頭痛かどうかの診断を受けるのが先かと思います (もし二次頭痛7であった場合は、その原因を早急に治療しないといけませんからね)。

こういった頭痛専門の病院であれば、CTスキャン装置なども設備として持っておられるので、他の原因 (副鼻腔炎や脳梗塞) による頭痛かどうか判別した上で診断してもらえるので、安心です。

とにかく早く病院へ行って、楽になってください。

身近に群発頭痛の患者がおられる方へ

もし家族や友人、恋人に群発患者がいて、なおかつ発作を起こしている場合は、「そっとしておく」事が大事だと思います。

前述のように、発作中の患者は「そっとしておいて欲しい」というのが本音であることが多いです。実際に、心配げに話しかけられるのはとても苦痛になります。

それでも、もし心配になっていろいろ手助けしようとして、群発発作中の彼、あるいは彼女にきついことを言われても、許してあげてほしいです。彼、あるいは彼女は、この絶望的で呪われた苦痛にただ一人耐えること、それしか頭にないのです。

まとめ

雑然と群発頭痛のことについて書いてしまいました。まだまだ書き足りませんが・・(^^ゞ

ここ十年くらいで、ずいぶんと群発頭痛も認知されるようになってきましたが、まだ一般的には知られていないことが多いです。

また、男性に患者が多いということで、どうしても社会的に弱音を吐かずに耐えている人も多いと思います。

しかし、最近は適切な治療方法も増えてきたので、耐えるよりも、薬で楽になる方法もでてきました。

多くの人に、この病気のことが認知されるように、そして、この病気で悩んでいる人、一人でも多くに知ってもらえるようになれたら幸いです。

そして、最後に一言、

治療費、安くなりませんか?

参考


  1. 真偽のほどは不明です。 
  2. 群発期は通常2週~3ヶ月続く 
  3. 群発期間中は、本当にそれだけが最後の望みになります 
  4. 緑内障の本を買って読んでいたこともあります。 
  5. また、きっちりとした病院であれば、他の要因による頭痛と区別するために、初診時にCT検査をすると思うので、その分も(!) かかってきます。正直、高いです。 
  6. 医師の認知度が低かったためです。 
  7. 二次頭痛とは、脳梗塞やくも膜下出血のように原因のある頭痛。群発頭痛や偏頭痛などの頭痛持ちの頭痛は一次頭痛と呼びます 

0件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。