ついこの間、こんな不具合がありましたので、覚書。
以下の記事における問題は、すでに解消している模様です。追記を参照してください。 |
環境
ちょっと特殊な環境かもしれません。
- Windows7 Pro SP1 32bit
- ADドメインメンバ (AD-DCはSamba4.3、Windows Server 2008 R2相当)
- GPOによるフォルダリダイレクト(Documents, Desktopなど)
- Avira 1.2.129.13789
→ 2018-02-21に更新されている - Avira Antivirus 15.0.44.139
→ 2018-02-21に更新されている - Microsoft Office Personal Premium 16.0.11231.20174
→2018-02-18 に更新されている
経緯
- 2019-02-21 午後くらいから、一部のユーザーから、Excelのファイルが開けなくなったとの報告。
症状
症例1:
- Excelファイルを開き(開くのに時間がかかる)、編集して保存をしようとしたところ、以下のようなエラーがポップアップする。
- 「ドキュメントは保存されましたが、共有違反のため、保存したドキュメントを再び開くことができません。ドキュメントを閉じて、再度開いてみてください。」となり、それ以降、当該ファイルを開こうとすると、
- 「他のユーザーが ' <Excelファイルのパス> ' を使用中です。後でもう一度試してください。 」
- 「OK」をクリック
- 「ファイル ' <Excelファイルのパス> ' にアクセスできません。次のいずれかの理由が考えられます」
・ ファイル名またはパスが存在しません。
・ ファイルが他のプログラムによって使用されています。
・ 保存しようとしているブックと同じ名前のブックが現在開かれています。
となり、ファイルを開けなくなってしまう。
症例2:
- 症例1の後、当該ファイルを開こうとすると、
「別のプログラムがこのファイルを開いているので、操作を完了できません。ファイルを閉じてから再実行してください。」と出る。
その他:
- 一部のユーザーでは、イベントログに「遅延書き込みデータの損失」(イベントID50)が記録されている。
- また別のユーザーでは、「プロセスはファイルにアクセスできません。別のプロセスが使用中です。」(イベントID 1509) がログに記録されている。
調査
ネットの情報の収集と、それの適用を試みたものの・・
Microsoftのサポートサイトに、次のような記事が・・
ネットワーク上にリダイレクトされたフォルダに有るOfficeのファイルを開こうとすると、このような問題が発生することがあるとのこと。
そこで、回避策に記載されている手順を実行しては見るものの、回避ができずないので、念の為、ファイルをローカルのDドライブに置いてもらって使ってみてもらってみたものの、やはり同じように開けなくなるとのこと。
Samba AD-DCの設定ミス?
Samba側の設定がマズくて起きてる可能性も考えてみたものの、そうであれば同時多発的に発生しないと思われ・・
また、ネットワークトラフィックの方も、Zabbixで監視しているのですが、見る限り負荷がかかってるように見えず、かつSambaのプログラムの更新も、セキュリティアップデート以外はしていない(ここが肝心)ので、ここ数日で設定や共有しているファイルやディレクトリのアクセス権が変わるようなこともないので、ひとまず除外はしてもよいかと・・
最近更新されたアプリケーションが関連してる?
また、この日は、同時に3台のコンピュータで上記のような症状があったので、共通点を探ってみると、
- 2019-02-18前後にOfficeの更新
- 2019-02-21にAviraの更新
と、それぞれ更新がかかっており、そのどちらかが(あるいはどちらも?)怪しいと思い、もしかするとソフトウェアの更新プログラムでパッチか何かの配布があるかもと数日様子見してもらうことに。
McAfeeのナレッジセンターの記事
翌日には、さらにもう一台同様の報告が。ひとまず経緯を説明し、数日様子見てほしいとお願いをする。
気になるのであらためてネットで調べてみたところ、以下の記事を発見。
ようするに、ネットワークドライブ上のスキャンを有効にしていると、症例のような事象が発生する、ということ。
ドメインメンバのAviraも、リアルタイムスキャナでネットワークドライブのスキャンを有効にしているので、同じようなこともあるかも、と思ったが、
ローカルディスクに保存したファイルでも不具合
が起きるので、なんとも言えないな、と思った。
作業の実施
週が開けて何日か待っても、先に更新のあったプログラムの更新が飛んでくるわけでもない上、不具合のあるPCの使用者からも催促があったので、次のようなプランで作業を実施することに。
- Aviraの除外プロセスに、Excelを追加してみる。
- Aviraのネットワークドライブのスキャンを無効にする。
- それでもダメなら、Aviraのアンインストール
- なおかつダメであれば、2018-02-18時点まで復元
- 伝家の宝刀、WindowsXPモード1にインストールしているOffice2000 (古っ) で代用 (汗)か、あるいは LibreOffice で、当面凌ぐ(T_T)
1から順に試していって、ダメならその次の項目を実施していくような形。
・・いや、もうMicrosoft Officeに依存しなくてもよい2ので、Libreofficeで強行してもいいんですけどね・・(^^ゞ
・・で、結局、正解は 3. でした。
プロセスでExcelを除外しても、ネットワークドライブのスキャンをしないように構成しても、先の症例のような状態を延々と繰り返すだけでした。
Aviraを、綺麗さっぱりアンインストールすると、嘘のように当該ファイルを開くことができるようになりました(初回は、復元してくださいというダイアログは出るものの)。ただ、起動に時間がかかる問題だけはそのままですが、それは原因がまだよくわかりません。
ちなみに、Aviraをアンインストールしたので、念の為Security Essentialsをインストールしていますが、このウィルス対策ソフトとの組み合わせでは問題は起きないようです。
企業なんだから、エンドポイントセキュリティ入れろよ
という突っ込みもありそうですが、中小にはいろいろ事情があるんですよ・・
まとめ
いつも思うのですが、Microsoftのナレッジはデッドリンクが多いですね。
先の、 Known issues with Office if ... の中のリンク先も「404」になってますしね。本当に「Microsoft氏ね」ですよ。
あと、同じくMicrosoftコミュニティっていうんですか? フォーラムっていうのかな?
あれ要りますか?
未解決がやたら多くありません?
それと、あと多いのが、最後にWindowsをクリーンインストールしましたってやつ。それって解決してないやん、って。
ググると何かと引っかかってはくるんだけれども、大抵まともな回答がないというか、見当外れな回答が多いなぁ。。という印象が強い。
そして、いろいろ、難しいことさせた挙げ句、最後にMicrosoft Supportの人が、有料サポートへと案内するみたいなのもあったような、なかったような・・
まあ、最初からアテにはしてないんで、フォーラムは最悪許せても、ナレッジのデッドリンクだけは本当に許せない。せっかく有用な情報を見つけた!と思っても、デッドリンク・・。
Microsoftは全然ユーザーフレンドリーではないと、断言します。
それが今回のまとめ。
追記
proscanによると、3月1日のAviraの更新で問題は解消されているとのこと。
以下を参照してください:
【重要】Avira Antivirus Proを導入したWindows7PCにおいて、Office(Word/Excel)ファイルの上書き保存の際に「共有違反」メッセージが表示される場合
ちなみに、うちではフリー版をインストールしています^^;
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