こんな事考えたことありますか?

すでに Windows7 のインストールされている HDD を他のパソコンに移植してそこで Windows が起動するんだろうか、なんていうことを。

Photo by Carlos Irineu da Costa on Unsplash

 

 

搭載しているマザーボードが違えば、LANインターフェースやチップセットが違うので、起動しないんじゃないか?と思われるかもしれません。

ただ、単純にHDD を別のPCに移植してしまいたいシチュエーションって結構あるような気がします。特に、私のような中小企業のシステム担当者であれば・・

先程の疑問、使用しているパソコンに何らかの問題があって、Windows を起動できなくなった時、あるいは近い内に起動できなくなる恐れがある時で、なおかつHDDに関しては何も問題がない場合、他のパソコンに移した場合、起動するのかどうか・・

これは、通常は起動しません。というか、起動に失敗します。

いわゆる BSOD (Blue Screen of Death = 死のブルースクリーン) で、STOP: 0x0000007B (INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE) のエラーで起動できなくなります。

これは、元のパソコンのストレージドライバでHDDから起動しようとするために発生します1。複数あるストレージドライバのうち、必要でないドライバの読み込みをしないことで起動速度を早めているためです。

つまり、「必要でない」ドライバを読み込むようにできれば、起動できるということになります。

ここでは、近い内に起動不可になりそうなパソコンの HDD を取り出す前に、レジストリを変更して、現在のパソコンで必要とされる以外のドライバを読み込むように設定する方法を説明します。

 

以下の記事はレジストリの変更を伴う作業が含まれますので、実施される際は細心の注意を払ってください。
また、以下の作業において生じた問題についての責任は負えませんので、ご了承願います。

 

要件

要件としては以下のような状況を想定します。

  • 想定しているOSは、Windows7 Pro とします。
  • 起動可能な HDD を他のパソコンに移植する。
  • あるいは、HDDはそのままで、(型番の違う)マザーボードに換装する。
  • 元のパソコンはかろうじて起動できてログオンできる状態。

 

レジストリを編集

regedit.exe を使用して、レジストリを編集し、起動時にストレージドライバがロードされるように設定を変更します。

[Windows]+[R] ボタンで、ファイル名を指定して実行 を開いて、regedit と入力して [Enter] でレジストリエディタを起動します。

左側のナビゲーションツリーで、以下のキーをたどります。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services

この services にある以下に該当するキーにある start という DWORD値3 から 0 に変更します。もしキーが存在しない場合は、無視してください。

  • Aliide
  • Amdide
  • Atapi
  • Ataport
  • Cmdide
  • Intelide
  • Msahci
  • Pciide
  • Pciidex
  • Viaide

これで、起動時に他のストレージドライバもロードされるようになります。

 

Windowsからレジストリを変更できない場合

前述の方法は、元のパソコンで Windows が起動できることが条件となります。

しかし、もしもマザーボードの不調などですでに元となるパソコンが起動できない場合はどうすればよいのでしょうか。

その場合は、元のパソコンから取り出した HDD を Linux の環境にマウントして、chntpw コマンドを使用すれば、レジストリの変更ができるみたいです。

これについては、後日確認してみたいと思います。

 

HDD 移植後の作業

レジストリ変更済みの Windows のシステムHDD を新しいパソコンに移植して無事に起動できたとしても、その他諸々の基本的なアプリケーションはインストールする必要があります。

例えば、

  • LANインターフェース
  • オンボードVGA
  • サウンドドライバ
  • チップセットドライバ
  • その他マザーボードユーティリティー等

など。

詳細は、マザーボードメーカーのWebページを参照してください。

 

まとめ

すでに Windows がインストールされた HDD を、他のパソコンに移してそこで Windows が起動できれば、再インストールの手間も省けますし、インストール後の環境の再構築も不要になります。

ただ、基本的な注意事項としては、Windows のライセンスに注意 するということに気をつけないといけません。

いわゆる OEM 版であるとか DSP版 と呼ばれる パッケージ版以外の Windows はそのコンピューターに対してであったり、コンピューターに搭載されている何らかのハードウェアに対してライセンスされています。

そのため、OEM版やDSP版の Windows を他のパソコンに移植した場合、たとえ動作しているとしてもライセンス違反となることに注意してください。パッケージ版かあるいは、ボリュームライセンス を取得しましょう。


  1. 同一型番のマザーボードであればたいがい起動します。 

 

 

zaturendo

中小企業社内SE。

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