毎年いつの間にか年末がやってきますね。
この一年を贈るというのは、何かと寂しいものもありますね。
私のとても愛すべきスタートレックシリーズ、スタートレック:ディープ・スペース・ナイン(DS9) に出演していた二人の俳優が、この世を去ってしまいました。
そのうちの一人、エイロン・アイゼンバーグについて語りたいと思います。
スタートレック:ディープスペースナイン
スタートレック:ディープ・スペース・ナイン (DS9) は、アメリカで1993年から1999年まで放送されたSFテレビドラマシリーズで、ジーン・ロッデンベリーが原作の スタートレック(宇宙大作戦) スタートレック(宇宙大作戦) をベースにしたドラマの一。「宇宙大作戦」の約80年後の世界を舞台にした、いわゆる、 「新スタートレック」のスピンオフ的な作品となっています。
国内でも、1996年頃から深夜枠を中心に放送され、途中第5シーズンを持って一旦終了。その後 「スタートレック:ヴォイジャー」を全話放送した後に、スーパーチャンネル (現:スーパードラマTV)で満を持して、残りの6、7シーズンが放映されました。
物語は、これまでのスタートレックシリーズとは違って、舞台を宇宙船から宇宙ステーションに移して話が展開します。また、戦争色が強く、一話完結でありながら大河ドラマの構成になっており、色々賛否ありましたが、結局、全7シーズン、176話作成されました。
他のスタートレックシリーズに比べると知名度や人気が低いのですが、私はこれまでのスタートレックシリーズの中で一番大好きです。
DS9 以降のスタートレックシリーズへの影響としては、ケルヴィンタイムライン や、最新の ディスカバリー に至るまで、「セクション31」 という設定が引き継がれていってます。また、スタートレックシリーズとしては、過去最大級の艦隊戦 (対ドミニオン戦争) が描かれたことが話題になりました。
Aron Eisenberg: エイロン・アイゼンバーグ
1969年1月9日 — 2019年9月21日
2019年9月21日、心不全で亡くなりました。享年50歳。あまりに若すぎる死でした。
エイロン・アイゼンバーグは、DS9 の劇中では若き フェレンギ人 の役、ノーグを演じました。
ここではあまり詳細な説明は省こうと思いますが、フェレンギ人というのはスタートレックの作中では嫌われ者1で、守銭奴、男尊女卑社会を文字通り表したような種族なんですが、彼、ノーグはフェレンギ人としては初の惑星連邦の士官を目指してアカデミーに入学。そして最終的に、中尉となります2。
ノーグが活躍する DS9 おすすめエピソード
ノーグが活躍するエピソードとしては、本編のサブストーリーですが、ノーグとジェイクが「ノージェイ商会」という名前で転売で金儲けする「第5の月・ジェラド-」(第1シーズン)、ノーグが艦隊アカデミー入学を志す「可変種の定め」(第3シーズン)。
ノーグとジェイクが、DS9 のクルーのために奔走するドタバタ編の「プレゼント大作戦」(第5シーズン)。デファイアントの修理のためにノーグがサブストーリーで活躍する「予期せぬ亡命者」(第7シーズン)。
「眠れるステーション エムポックノール」(第5シーズン) や、「過信」(第6シーズン) ではシリアスなテーマを演じましたし、なによりも、戦闘によるトラウマから立ち直る、「ペーパームーンに抱れて-戦争の影パートII」 (第7シーズン) では、本來サブレギュラーであるノーグを主人公に据えて、ドラマが展開していきます。
他にも、劇中で唯一、マスクしていない素顔で出演する「夢、遥かなる地にて」 (第6シーズン)、フェレンギのキャラクターが総集結 (?) する、「戦う交渉人フェレンギ」(第6シーズン)など、数多くのエピソードでノーグは、DS9 にとっては欠かせないキャラクターとして描かれています。
スタートレックシリーズの数あるシリーズの中でも、これほどまでにいろいろなシーンで活躍したサブレギュラーは、彼をおいて他にいないのではないかな3?
DS9 と エイロン・アイゼンバーグ
彼は、この DS9 への出演をとても誇りに思っており、この「ノーグ」という、キャラクターに自分自身の人生を重ねていました。
腎臓に機能不全を持ったまま生まれて、生涯に2度の腎移植手術を受け、それでも演劇に身を投じてきた自分自身と、フェレンギという偏見やあるいは差別的な目で見られる種族から、連邦士官へと成長していくノーグに、自身を投影していたのだと考えると、ドラマをみるときの目も少し変わってきそうな気がします。
僕は DS9 の一部分なんだ。永遠にこの一部分なんだ。誰も僕からそれを取り去ることは出来ない。だから、「あなたの後ろに何を残してきた?4」って聞かれても、僕は何かを残してきたとは考えられないんだ。なぜかというと、それはいつもここに、僕と一緒にあるんだ。毎日ね。
— エイロン・アイゼンバーグ
最後に
第3シーズンの「可変種の定め」 を見返してみました。
艦隊アカデミーの推薦状を書いて欲しいノーグと、そのノーグの言葉を信用できず拒絶するシスコ司令官。
「君はフェレンギ人だ。なぜ宇宙艦隊に入りたいんだ。どんな儲けが目当てなんだ!」
「儲けなんかどうでもいいんだ!」
「・・僕の父は機械にかけちゃ天才です。もし場が与えられたなら宇宙戦艦の技術チーフだって務まるでしょう。でもフェレンギ人だから商売をはじめました。・・・でも父の商売は失敗ばかりでした。・・要するに金儲けに向いてないんです。今の父にとっての生きがいは・・・あまり可能性はないとおもいますけど、いつか叔父のバーを自分のものにすることだけです。」
「僕は同じ間違いを犯したくありません。自分の人生だから頑張って生きたい。生きるに足る人生を!」
エイロン・アイゼンバーグの言葉を聞いた今では、彼のこの言葉がぐさりと胸を突いてきます。ぜひ、多くの人に見て欲しいですね。
エイロン・アイゼンバーグ・・僕の心のなかに「何か」を残してくれてありがとう。
RIP、エイロン・アイゼンバーグ。。。
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