プログラミングやサーバーを管理するような分野に身を置くと、どうしても英語に厄介になることが多くないですか?
日本において IT エンジニアリング系の Q & A サイトと言うと、 Teratail や Stack Overflow 日本語版 Beta 、ブログ系サービスで言えば、 Qiita 等があると思いますが、少なくとも私の中では (Qiita を除いては) お世話になったことがほぼないと思います。
ちょっとしたライブラリや、サーバーのこみいった部分を調べてみようと思うと、結局行き着くのは Stackoverflow の本家サイト であったり、 Serverfault 、もしくはライブラリやサーバーの本家サイトなわけで、結局英語を読む機会、というか英語を読まざるを得ない機会が多いな、と感じるのは私だけではないでしょう。
最近は、Google 翻訳 の翻訳精度も上がってきたのもあって、昔ほど英語の記事や Q & A を毛嫌いする人も減ってきたかとも思いますが、日本語でも人によって文法がおかしかったり、妙な倒置法や修飾語を付けたりするような文章を書く人っているでしょう?1それと同じように、同じ英語の文章でも、変な言い回しや、文法的に間違っていることなんていうのもかなり多いわけで、そうなってくると例えあの Google 翻訳でも追従できない・・
そこで、自身の英語スキルを上げたいな、と思うのは自明の理ですよね?
言語交換サイトという選択肢
英語を勉強するとなると、やはり英会話の学校へ行く?
とか、スマホの英会話アプリを使う?
等色々あると思うのですが、貧乏性の私はなるべく金をかけずしてできないかなと。
それでですね、ふと思い出したことがあるんですが、数年前に言語交換系の SNS に登録したことがあったな、と思って Google の検索窓に、
「言語交換 サイト」
とか、
「language exchange」
などと書いて検索してみたわけです。すると、あるわあるわ、たくさんのサイトが。
「言語交換サイト」というのは、要するにですね、自分がネイティブで話せる言語 (例えば私であれば「日本語」) と、学びたい言語 (例えば英語) を登録して、世界中の言語を交換したいユーザーが集まって、お互いのネイティブの言語を教え合う、というサイトです。
昔で言う「ペンパル (penpal)」を SNS で置き換えたようなものですね。
それで、結局、以前に登録していたところと合わせて、他にも数サイトほど登録をしてみたのですが、一番反応がよかったのが
です。
Speaky.com
このサイトは、PC から使用するだけにとどまらず スマホ用にもアプリが出ているので、ハンドリングのしやすさは抜群のように思われます。
但し評価はちょっと微妙・・
- 詐欺師 が多い
とか
- 出会い系サイト みたいに使っている人がいる
とか・・
でもまぁ、 人柱のつもり でインストールして使ってみました。
すると、何人かから反応があり、メッセージがやってきました。それで、ざっとみてみましたが、
「若い人が多いな」 という印象です。
ユーザーの平均年齢は20代半ば、という感じでしょうか。中には14歳、なんていう人もいます。
それで、結果ですが・・
数人と継続的にやり取りするなかで、2名ほど明らかな 詐欺野郎 に引っかかりました。
どんな詐欺野郎と知り合ったか
どんな詐欺野郎と知り合ったのか、簡単に紹介してみたいと思います。
ケース1・アメリカ在住の女性 (53歳)
出会い
この人はですね、53歳の女性だったので、さすがに詐欺じゃないだろうと思いメッセージをやり取りしていたんですが、途中から Google ハングアウト でのやり取りを申し出てきました。
この段階ですでに怪しんでた んですが、さらに面白いことをこの人はメッセージに書いてきます。
まず、彼女は
アメリカ合衆国の陸軍将校
だということ。
そして、夫を亡くした 未亡人 で、離れて住んでいる、アンナという14歳の娘 がいるということ。
どうやら、ニューヨークのマンハッタン に住んでいて、驚くことに 専属のシェフ が家にいるみたい。
—— これはえらい とんだセレブ だな・・
近く、平和維持のために イラン に派遣される ( 笑・・それも怪しいよね ) ということで、その任務が終わったら退役して日本に行きたいということ。
で、ハングアウトには、どうやら彼女の名前らしきものが書いてあるので、その名前で検索してみると、たしかに 米軍の女性将校 (しかも准将) ということで、公式な写真や記事がいっぱい出てくる。中には、雑誌の表紙 になっているものも・・
これは確かに生活はセレブだわ・・と騙されかけましたね。
いかにしてボロを出したか
まず、とにかくなによりも、英語がけっこう無茶苦茶。どれくらい無茶苦茶かというと、
Good day to you and all around you, hope you had a wonderful night rest? Mine was great and I am at work now trying to start up with something for the day when the thought of you came into my mind and I decided to send you this mail to say a warm good morning to you my dear how did your day go because i know you are fast ahead of my time, will be reporting to the base today cause my name has being listed for the trop brigadier that will be going to iran for peace keeping leading team. how was your day ??
my computer is a little bit hard to understand right now
こんな感じ。米軍の将校であることを疑うレベル。
例の (本物の) 女性陸軍准将さんは、Youtube で本人が肉声でメッセージを出しているんですが、こちらは流暢な英語。そのギャップがあまりに激しすぎる。
さらに、この方のことを書いている、あるウェブページの末尾の方にこんなことが・・
彼女とその夫 の◯◯は、〇〇州〇〇に住んでいて、二人の成長した子供達、〇〇と〇〇がいます。
って、オイオイ・・
そもそも、ハングアウトに誘導する段階でおかしいんだけどね、ここへ来て、こいつはマジで詐称しているやつだ、と確信した。
でも何の目的で!?
終焉
で、そのことをこの詐欺野郎に問い詰めたところ、挙句の果てに、
アンナは娘ではなくて、実は私の孫で・・
などと言い始めた。53歳で14歳の孫がいるなんて・・今更言われても信じるわけないよ。
じゃあお前は何歳で娘を生んだんだよ
って問い詰めたくなったけれど、まもなく彼女 (彼) は ハングアウトからアウト したのでした・・
多分、書いていた英語からすると、多分この人が女性だったことは間違いないと思う。で、おそらくアジア人だなあれは。あくまで推測だけど・・
ケース2・イラクに派遣されている男性の米軍兵士 (49歳)
出会い
彼は、イラクに派遣されている米軍兵士でバツイチ。アメリカに14歳になる一人息子を置いてきているとのこと (ん? 14歳? なんか嫌な符丁だな・・)。
「アメリカに置いてきた子供に早く会いたくてたまらない」
なんてことを書いてきていました。
で、この人も ハングアウト でやり取りしよう、と言ってきたので、了承2。
いかにしてボロを出したか
最初はまず、真面目に米兵だと思っていました。
何分、英語が割にしっかりと書いてあったのと、相手は同年代のオッサン (?) なんで 色目使って騙す、なんていうのもないだろうと・・3
うーん、でもやはり 自分的には何か感じるものが あったのかな?・・ふと、この人のプロフィール画像 (子供と一緒に写っている写真) を Google の画像検索 ( 要は類似している画像を検索するという便利な機能ですね ) を使って検索するといきなりトップに、
”This is scam (こいつは詐欺) ” というタイトルとともに画像が上がってきました。
・・オイオイ、またかよ
などと思いながらも、
・・いや、もう少し泳がせてみよう
と、小悪魔の囁き が聞こえてきたので、もう少し様子を見ることに・・
それからしばらくして、また、「子供に会いたいよ」という感じのメッセージが来たので、「同情するよ・・」と返信したところ、何枚か子供と写っている写真を送ってきました。
そして、しめしめ・・と思った私は、まずその画像を先程と同様に類似画像検索にかけ ( 結果類似画像は出てこず・・残念・・ )、ついでに Faststone Imave Viewer で Exif 情報 を調べてみました。
すると・・
ほとんどの情報は欠落していましたが、何故か日付だけが残っていました。
2012年ということはほぼ8年前。
一緒に写っている男の子はどうみても10歳前後の男の子に見えます。
今14歳として、8年前だと6歳か・・うーん、ちょっとおかしくない?
と思って、彼にカマをかけてみました。
「この写真はいつ撮ったの?」
すると、
11ヶ月前 だよ?
ということで、 ダウト!
終焉
そろそろ泳がしておくのも面倒なので、彼に問いかけてみた。
「君は Exif って知ってる?」
ちょっと間を置いて、
”Exchangeable Image File Format” だね。知ってるよ?
なんでそんな事聞くの?
( ・・多分、速攻で Wiki か何か見て調べたんだろうなぁ。) と思いつつ、
「君の写真の Exif 見ると、写真を撮ったか、編集したのが6年前になってるんだけど、どういうこと?」
と、先の画像を送ってみた。
しばらく待っても返事が来なかったんで、
「つぎ人をダマすときは、もっと馬鹿な人相手にする方がいいよ?」
と送ったら、既読が付いてまたもや、 ハングアウトからアウト したのでした。
・・彼が一体どんな人なのかはわからないけれど、たぶん文面からすると男性ではないと思う。言葉の言い回しとかからすると女性だと思う?
時々、男が送るには不自然なスタンプとか送ってきたし・・でなければゲイの方 !?
言語交換サイト、こんな人はもしかすると詐欺かもしれない7つのポイント
こうして私は、立て続けに二人の詐欺野郎と出くわしたわけです。
厳密に言うと、別に詐欺に引っかかったわけでもなく、時間を消費した以外は特に実害ないのですが、どうやらこういった人たちにはある共通点があるみたいです。
純粋に英語を勉強したいと思ってサイトに参加しているのに、こんな輩は許せない!
・・ということで、 こんな人は詐欺かもしれない という私なりのポイントをお教えしたいと思います。
その1・自分が学びたい言語でもないのにメッセージを送ってくる
大体こういった言語交換系のサイトは、登録するときに、
- 自分がネイティブで話せる言語
- 自分が習いたい言語
を登録できることが多いと思います。
なので、日本語を話せる 人が、英語を学びたい 場合は、相手の方が 英語を話せて、なおかつ 日本語を勉強したい 人からメッセージが来ることを期待するわけですよ。
実際、ユーザー検索画面でもネイティブな言語と、学びたい言語から絞り込んで検索できますからね。
でも、そんなの関係なしに送ってくる人がいます。
こんな人に対してはまず疑いを持ったほうがいいかもしれません。
その2・漢字混じりの日本語で送ってくる人に要注意
過去の経験からすると、日本語を学び始めの人は、ひらがな や 漢字 を使用しないです。
まず、ローマ字表記で日本語を勉強していく人が多いでしょう。
それなのに、日本語をほとんど初心者だという人が 「漢字混じりの日本語」 を書いてきたら少し疑ってかかったほうがいいです。Google 翻訳 で日本語に変換したものをそのままコピペしてるだけです。
日本人でない人が、日本語を漢字混じりのかなで送ってくるような人は、相当に日本語に慣れ親しんでいる外国人か、留学生か、あるいは詐欺師です4。
その3・Facebook ページがない
もし相手が、自分の名前を語っている場合には、Facebook のページを探してみることをおすすめします。
だいたい、こういった悪い事する人は Facebook ページを持っていないことが多いです。
ただ、もしかすると、赤の他人の名前を騙っているだけかもしれないので、Facebook ページがあったとしても要注意ですが・・。
その4・プロフィール画像を Google 画像検索にかけると色々引っかかる
先程のケースでも書いたように、プロフィール画像があるのであれば、その画像を Google の類似画像検索 してみることをおすすめします。
前述のように、誰かが警告を Web 上であげてくれているかもしれません。
その5・兵役についている
今回の二人は、たまたま現役の米軍兵士 (うち一人は将校) でした。
しかも両方とも、兵役についているため子供と会えない、といった問題を抱えていて、いずれ 近いうちに退役 することを匂わせてきていました。
これが偶然かどうかはわかりませんが、少し気にしたほうがいいかもしれません。
むろん、全ての兵隊さんが詐欺師であるとは限りませんが、他のポイントと合わせて総合的に判断すべきでしょう。
その6・事さらに真の友情や愛について語ってくる
先の二人に明らかに共通したのは、
真の友情には、 信頼がないとだめ
みたいなことについて、ことさら何度も 同意 を求めてきます。
例えば、
真の友情のために、愛、真実、誠実、敬意という4つの重要な言葉があります。 これらの言葉がなければそれは真の友情とはいえない。君はそうは思わないかい?
もうひとりは、
私たちの友情が長続きする秘訣、鍵は信頼です。そのことをあなたに知ってほしい。
・・うん。正論 であることは認める。
でも、メッセンジャーアプリでしか繋がってないうえ、 まだ知り合って2日程度でそんな事言われても、という感じですよね。
だから、これは その先の企てに対する伏線 なんだろうな、と考えます。きっと、この後に訪れるシナリオは、友情と信頼 と試される なにか があるんでしょうね。
その7・他サイト、メッセンジャーアプリへの誘導
これは、 ガチ ですね。
ほかサイトやメッセンジャーアプリに誘導する人はまず疑ってかかっても問題ないでしょう。
日本では LINE が有名だと思いますが、海外の人は WhatsApp や WeChat などに誘導する人がいます。
まとめ
このように、言語交換サイトにおける私の経験をつらつらと書いたわけですが、勘違いしないでほしいのは、 純粋に言語交換を望んでいる人もたくさんいる ということです。
ただ、とはいっても相手は顔の見えない相手なうえ、文化的背景が違う人がほとんどなので、何の備えもなしに参加するよりも、こういったこともあるんだよ、と頭の片隅にとどめておいて頂けたら幸いです。
幸いといえば、結局の所は詐欺の被害にあったわけではないのですが、このまま泳がせておいたらどんなところまで行ってしまうのかな、という好奇心がないわけでもありません。
次、またこんな輩に出会ったら、もう少し泳がせてみたいな、と個人的には思ったりしています。
何れにせよ、言語交換サイトは 清く正しく 使いましょう。
0件のコメント