梅田三丁目計画。
こういった超高層ビルの建設計画が立ち上がって、なおかつ比較的詳しい図面等が取得できた時には、3D モデルを作ってテクスチャを貼って色んな方向から眺めて見てみるのが私の密かな楽しみです。
しかも今回は、旧デザインの梅田三丁目計画と、新デザインの梅田三丁目計画、両方のモデルがあるのでこれらを並べて比較してみたくなるのがビルヲタの悲しい性でしょう。
今回は、そんな梅田三丁目計画の3Dモデルを使って新旧を比べてみたいと思います。
3Dモデルで見る梅田三丁目計画の新旧比較
梅田三丁目計画・新旧モデルの諸元を確認
その前に、新旧の計画の概要を比較してみましょう。
施設の概要 | 旧 | 新 (2019年11月1日~) |
---|---|---|
建築面積 | 約 8,900m² | 約 9,500m² |
延べ面積 | 約 217,000m² | 約 229,000m² |
(参考)1 | 約 193,500m² 業務施設:約 135,500m² 商業施設:約 48,000m² 劇 場:約 10,000m² |
約 193,500m² 業務施設:約 101,500m² 商業施設:約 44,000m² 劇 場:約 6,000m² 滞在施設:約 42,000m² |
階数 | 地上 40 階、地下 3 階、 塔屋 2 階 | 地上 40 階、地下 3 階、 塔屋 2 階 |
建物高さ | 約 187m | 約 188m |
主な用途 | 業務施設:事務所 商業施設:商業、郵便局 (窓口)等 劇 場:劇場 |
業務施設:事務所 商業施設:商業、郵便局 (窓口)等 劇 場:劇場 滞在施設:滞在施設 |
駐車台数 | 約 470台 | 約 390台 |
駐輪台数 | 約 300台 | 約 380台 |
2019年11月1日付で事業計画の一部が変更となり、用途に滞在施設が加えられ、それに伴って業務施設、商業施設、劇場の面積も変更となっています。
この時、高さも187mから188mに変更 (高層部) となり、低層部については従来の70mから55mに引き下げられました。
当初の外観モデル
これは長らく外観予想図とされた外観図をもとにして作成したモデルになります。軒先高さは 187m で作成しています。
建物の南東から見た形になります。右手前方向にJR大阪駅、左奥は大阪モード学園や、大和ハウス工業本社ビルのある区画になります。
中層部手前の部分の劇場の大屋根 (?) が特徴的ですね。
今回発表された外観モデル
こちらは今回新たに公開された外観図をもとに作成したモデル。軒先高さは 188m で作成しています。
これも先のと同じく、南東方向から見た図になります。
高層部の建物が全体的にJR大阪駅寄りになって、幅広になっています。また、高層部の上部はホテルが入居するようになりました。
ただ、それに伴い劇場の面積は 10,000m² から 6000m² に大幅に面積が減っています。また、業務施設、商業施設もそれぞれ面積が削られました。
中層部と呼ばれる部分は、当初モデルの長方形から、比較的敷地の形に沿ってに広げられていて、単なる直線ではなく斜めになったり、場所によっては曲線で構成されている部分もあったりして、見る方角からその表情を変化させます。
また、中層部の外面は、今流行りの2層式の外壁になっており、躯体側の窓や壁から少し浮くようにして、縦にスリット状になっている飾りのような外装が付くようになっているみたいで、将来的には壁面緑化なども見込んでいるように見えます (3Dモデルではそのあたりの意匠は省いてますが・・)。
2つのモデルを並べて比較
それではここからが本番ですね。
3D モデルの特典は、本来比較しようがないこの2つの超高層ビルを並べて比較することができる、というところにあります。
まず南東よりの方角から見た外観。
遠近感で、旧モデルが大きく見えますが、実際は違います。
このように、新しい外観のほうが大きく太く見えます。実際、高層部に関しては、面積が10,000m² も増えていることからもわかります。
東京の大丸有や日本橋の超高層ビルも、太く広くなっている傾向があるので、これはこれでありかなぁ、と個人的には思います。
ですが、劇場の面積がかなり削られてしまっています。
旧外観では、真正面に大きな屋根のような構造物が上に乗っていましたが、新しい外観では、大屋根は小さな塔屋のような形で屋上緑地に乗っかっているような感じになります。
劇場はその構造上、舞台装置などの関係で上下にかなり大きなスパンを要するので、この部分を見るだけでも劇場の規模が小さくなっていることが伺えます。
ここからは、両モデルを並行投影 (Parallel Projection) で見てみましょう。平行投影にすると、遠近感がなくなるので、それぞれの大きさをより比較しやすくすることが出来ます。
こうやって見ると、新デザインの方がとても幅広くなっているのが見て取れると思います。私のモデリング結果では、この幅は 100m から 110m あると思われ、横幅だけでも超高層サイズということになります。
名古屋では、高さが180m、横幅が400m というビルが計画されていますが、かなりの迫力でしょうね。
こちらは東面からの立面。
新デザインの高層部上部、左右がセットバックして細くなっています。この部分は滞在施設が入居するフロアになっており、業務施設の入るフロアよりも1階あたりのスパンが短くなっています。
次に北側の立面。
新デザイン側は、展望エレベーターが追加されています (向かって左側の黒い部分)。
また、新旧デザインとも、この面に旧大阪中央郵便局の外壁が取り付けられることになっています。
最後に上から見た状態です。
何が何だよくわかりませんが、長方形の方が旧モデル、変形しているのが新モデルになります。
まとめ
ちょっと風変わりなビル話でしたが、3D モデルを使って新旧モデルを比較する事をやってみました。
今後、2025年の大阪・関西万博に向けて様々な計画が出てくるでしょう。可能な限り、ウォッチを続けていきたいと思います。
おまけ
私が使用している 3D モデリングツールです。Free であれば無償で使うことが出来ます。
無償で利用できる 3D モデリングツールは他にも Blender、AUTODESK FUSION 360 がありますが、こういったビルの造形であれば、SketchUp が断然使用しやすいです。
参考までに。
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容積率の算定の基礎となる延べ面積 ↩
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